遺構PEAKIT作成サービス

遺構PEAKIT作成サービスの特長

遺構PEAKIT作成サービスとは、発掘現場で遺構をまるごと3次元計測し、PEAKITを作成して納入するサービスです。遺構PEAKIT作成サービスは、壊される遺跡の構造を3次元アーカイブできるだけでなく、効率的な記録作業を実現します。調査現場での作業を速やかに進められる画期的な手法としてご好評頂いています。

「遺構PEAKIT」「立体遺構図」とは?

遺構PEAKITとは、任意のピッチで計測された遺構の3次元データから生成される完全な正射投影、多面展開の形状解析画像です。解析は独自のアルゴリズム(特許)を用い、遺構表面の起伏情報を鮮明に抽出することに成功しています。
 遺構計測の場合、3次元データから2種類の画像を作成します。ひとつはトレース時に素図として利用するための「PEAKIT」で、もう一つは、デジタル画像での公開を前提とした「立体遺構図」です。「立体遺構図」は標高段彩処理や任意の断面図を配置し、全体の体裁を整えたものです。

遺構PEAKIT作成サービスの活用方法

遺構PEAKIT作成サービスは、環状列石、配石炉、敷石住居などの配石遺構などの複雑な構造をもつ遺構、あるいは城郭の石垣や石塁、横穴や岩陰、洞窟の壁面など、そもそも記録図作成が困難な遺構などに特に効果を発揮します。また水田址のミリ刻みの高密度コンタ図なども驚くほど速く簡単に作成ですることができます。
 最終的にPEAKITをトレースして線画にするケースと、3次元データから生成する「立体遺構図」そのまま活用されるケースがありますが、遺構に関しては後者のケースが多数を占めています。

ワークフロー

遺構PEAKIT作成サービスにはA,B2通りの納入形態があります。Aはデジタル画像のまま納入するもので、Bはトレース図までを含むものです。

遺構PEAKIT作成サービス A

工程は以下のとおりです。
1)現場での事前打ち合わせ。
2)3次元計測し「3次元データ」を作成する。
3)3次元データに対しデータ処理を行ない「PEAKIT」および「立体遺構図」を作成し納入する。

遺構PEAKIT作成サービス B

工程は以下のとおりです。
1)現場での事前打ち合わせ。
2)3次元計測し"CORE DATA"を作成する。
3)"CORE DATA"に対しデータ処理を行ない「PEAKIT」を作成する。
4)お客様側でPEAKITをもとに現場で観察/作図を行ない「遺構原図」を作成する。
5)遺構原図を参照し、Adobe Illustratorで「遺構図」を作成し納入する。

 調査面積が大きい場合は複数日にわたって計測を行ないます。その場合、初日計測した範囲のPEAKITを3日目に納入し、2日目に計測した範囲のPEAKITを4日目に納入するという形で、2日以内に原図作成用のPEAKITを準備して納入します。このように計測が完全に終了しなくとも、現場での原図作成を並行させて速やかに行なえるように対処します。全ての遺構原図がそろった段階でそれぞれの原図の位置合わせを行ない、トレース作業へと進みます。


工期

工期は以下のペースを目安としてください。工期は遺構の性格や難易度によって、あるいは混みあい状況によっても変化しますが、お客様側での状況を考慮し、納入形態に関してはできるだけ柔軟に対応するよう心がけておりますのでご相談ください。

配石遺構の場合 (本ページ上図のようにな礫密度が極めて高いケース)
  3次元計測    200平方メートル/日
  PEAKIT作成    200平方メートル/2日
  トレース図作成  400平方メートル/月(遺構原図を返却頂いてからの日数となります)
  立体遺構図作成  計測日から1ヶ月以内

石垣の場合
  3次元計測    100平方メートル/日
  PEAKIT作成    100平方メートル/2日
  トレース図作成  200平方メートル/月(遺構原図を返却頂いてからの日数となります)
  立体遺構図作成  計測日から1ヶ月以内



制約条件

(1)3次元レーザープロファイラの特性上、ピット群などのネガティヴな要素で構成される遺構ではピットの壁面や底面においてレーザー光の陰が生じ安く、良好なデータが採取できませんのでご了承ください。
(2)3次元レーザープロファイラは、遺構の形情報及び色情報を採取可能ですが、色情報は解像度が粗く、当社標準仕様での解析処理には利用いたしませんので、ご了承ください。
(3)また現在の受託可能なエリアは東北地方6県に限定させて頂きますのでご了承ください。それ以外のエリアの場合は別途ご相談ください。


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KEYWORDS

「高精度」であること

ラングシステムでは遺物1点につき数万〜数百万点からなる高密度で高精度な3次元測点座標を記録しアーカイブします。私たちは、報告書作成に限らず将来的に所望される分析、復元、公開、あるいは不慮の事故による消失など、多種多様なニーズに応えられるデータを作成することが記録保存の本来の目的であると考えています。

「シンプル」であること

ラングシステムは機械化できる部分と不可能な部分を明確にわけています。たとえば実測図作成に関しては機械で作成可能な情報は全て「PEAKIT」に凝縮されていますので、そこからの作業は非常にシンプルになります。鮮明なPEAKIT画像をキャンバスに、遺物を観察しながら考古学的な情報を表現していくことだけに集中することができます。

「再現性」があること

ラングは考古学が実証学問であることにこだわり、観察図の作成といえどもその根底には「再現性」のある根拠が必要だと考えています。「100人やっても全て同じ結果」あるいは「1人が100回やっても全て同じ結果」が得られる3次元"CORE DATA"を作成し、それを基礎として判読や診断を行なうというプロセスを重視し、実践しています。

「多角的」に分析できること

ラングシステムは3次元"CORE DATA"を多角的に解析し、定量的なデータを抽出するためのシステムです。解析手法はこの先も進歩し続けますので、"CORE DATA"が保存されていればそのデータに対して常に最新の処理を適用することが出来ます。こうすることでデータを「生きた記録」として成長させることが可能になると考えています。

「恒久的」に残すこと

私たちは、遺跡や遺物の記録が、一回の書物作成のためではなく 活用され続けるためのデータであることを意識しています。それは例えば100年後の考古学者が私たちの作成した記録から新たな発見が出来ることです。そのために主観、歪曲、隠蔽、錯誤を極力排した記録を作成し、それを劣化しない形で残すことが大切だと考えています。

「コスト」を抑えること

いかに素晴らしい仕組みであろうとも、実践の場で活用できないものであれば意味がありません。ラングシステムは高い精度、品質、付加価値を供給するとともに、徹底した自動化、ルーチン化が図られ、高いコストパフォーマンスを生み出します。提供するデータのバリエーションも多様で、予算や作業体制に合わせたサービスを提供します。